人生のスキル ! と思った昔話

或る山に二家族の猪が暮らしていました。
一方の家族はいたって和やかに、仲良く明るく暮らしていましたが、
もう一方の家は家族仲が悪く、毎日言い争いが絶えず、
喧嘩ばかりして楽しくない暗い日々を送っていました。
或る時、家族仲の悪い家の猪が、仲の良い家族を訪ねて聞いてみました。
「お前さんの家では喧嘩ひとつ起きないようだが、
わしの家では毎日諍いが絶えず、修羅場のような有様だが、
どうしてお前さんの家ではそう仲良く暮らせるのだろうか」と尋ねました。
すると仲の良い家族の猪は即座に答えました。
「それは私共の家は至らない、出来の悪い猪ばかりの集まりですが、
貴方様の家は賢い出来の良い猪ばかりのお集まりだからでしょう」と答えました。
仲の悪い猪は納得がいかず、
「どうもわかりませんな。
出来の悪い猪ばかり揃っていれば、いよいよ喧嘩が募るはずでしょう。
出来の悪い猪ばかりだから争いが無いというのは、
いったいどういうわけでしょうか」と再び尋ねました。
「いや、何も難しいことではありません。
我が家では家の中で花瓶が割れれば、皆が、それは私の不注意で当たったからだと言い、
いやそんなところに花瓶を置いた私がいけなかったと、お互いが我先に悪者になる競争をします。
だから、喧嘩の起こりようがないのです。
それに比べ貴方の家では反対で、何事かあると、
皆さんが良い猪、良いひとになろうとして、
誰がこんなところに花瓶を置いたと、相手を責め、
こんな目立つ花瓶に気づかないとはどういうことだと、
お互いが相手の非を詰るでしょう。
ゴミが落ちていても自分には関係ないと、誰ひとりとして片付けようとしない。
嘆くばかりで自分から動こうとしない。
私の家では競って悪者になり、貴方の家では競って良い猪、良いひとになろうとする。
その結果、私の家では争い事が起こらず、貴方の家では争い事が絶えないのでしょう。」
と、このように言われて、家族仲の悪い家の主人はなるほどと納得し、
それから家族が和やかに暮らすようになったということです。
おわり
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私も言い争いになる時は、こういう感じで喧嘩になるなと思いました。
そしてぐったり疲れます。
人と人、国と国でも当てはまる話かも。と思いました。
「植松」