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音楽業界で唯一の成長株に! アナログレコード復活のなぜ

音楽業界で唯一の成長株に!
アナログレコード復活のなぜ
昔懐かしきアナログレコードの復活はうれしい限りです。

https://diamond.jp/articles/-/88049

ダイヤモンドオンライン 2016.3.17
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〈日本唯一のレコードメーカーは生産が追いつかない事態に〉

音楽業界では、ここ10年、CDなどのパッケージ商品の売上が激減している。データ配信を含めて、なんとか横ばい状態を保っているのが現状だ。そんな中、唯一売上を伸ばしているのが、なんとアナログレコードである。米国では、レコード販売数は10年連続で増えつづけており、今やアルバム全体の5%を占める「成長分野」になっている。
USB端子、ステレオスピーカーを搭載したMAX LP。RCA端子で接続すれば、家庭のコンポから出力することもできる。定価1万2000円台とリーズナブルな価格だ
日本でも同様だ。2015年、レコードの生産数は66万2000枚を記録(日本レコード協会統計)。これは前年の40万1000枚に比べ65%も増加した数字だ。今、世界の音楽業界で最も元気なのはアナログレコードと言っても過言ではない。

この「復活劇」は、12年にビートルズがLPボックスを発売したのがきっかけだと言われているが、その後、著名アーティストが次々とアナログ盤をリリース。日本でもパフュームやきゃりーぱみゅぱみゅなどの若手アーティストの新譜が起爆剤となり、じわじわと広まっていった。
追い風を得て、日本で唯一のレコードプレス工場「東洋化成」では生産が追いつかない状態だ。レコード針を製造している「日本精機宝石工業」でもフル生産態勢をとっている。
こういったレコードの復活を大きく後押ししたのが、低価格で買えるプレーヤーだ。レコード再生機と言えば、音楽マニアのための高額機器というイメージをお持ちの方も少なくないだろう。ところが最近は一変。1万円前後で、レコードを聴くのに充分な機能を備えた機器がヒットを飛ばしているのだ。
ひときわ売れているのが、ION AUDIO(アイオンオーディオ)の「MAX LP」(マックスLP)という製品だ。生産が追いつかず、予約しても数ヵ月待ちという状態が長らく続いた。
この製品、プレーヤーにスピーカーが内蔵されており、レコードを聴いてみたいという初心者には申し分ない。本体は中国製だが、心臓部にあたるカートリッジは日本で作られており、手作業に頼る部分も多いので、急な増産は難しいという。
「主な購買層は40、50代のシニア世代です。昔、買ったレコードをもう一度聴きたいという方が多いようです。加えて、最近は20代の女性も多いんですよ。購入データを見ても3割が女性。それで昨年の夏、思い切って女性限定のレコードセミナーを開催したら、申込み開始から3日間で80名もの応募がありました」(MAX LP を生産・販売するinMusic Japan青木隆社長)

〈アーティストが作品を手軽にレコード化できるサービスも登場〉

若い世代がレコードに興味を持つきっかけは、「好きなアーティストがレコードを出したから」というのがダントツに多い。その影響で手頃な再生機も売れているわけだ。
「若手バンドのLPを聞きたくて買ったんですが、ジャケットがカッコいいので、部屋に飾って楽しんでいます」というのは、取材中にレコードショップで会った女子大生。彼女の家には、古いプレーヤーがあったそうで、お母さんに使い方を教えてもらいつつ、一緒に聴いたという。

「ふだんはスマホに入れたMP3データを聞いているんですが、レコードを聴くときは不思議と耳を傾けるようになるんです。母と一緒に昔の音楽の話をしながら、のんびり過ごすと、なんかホッとするんですよ」
レコードブームを象徴する現象として、こんなサービスも登場している。レコード制作を行うプラットフォーム「QRATES(クレイツ)」。LP、EPレコードを100枚からの小ロットで注文できるネットサービスだ。制作だけでなく販売やクラウドファンディングも可能という、音楽好きにとってはなんともうれしい仕組みが揃っている。
「ネットを介してレコードを作れるサービスが世界で初だったこともあり、音楽を投稿するアーティストも購入するユーザーも80%以上がアメリカとヨーロッパ各国の方です。スタートから10ヵ月ほど経ちましたが、すでに1000作品以上が投稿されており、売上的にも順調に伸びてきています」(QRATESを運営するYong-Bo Bae氏)
今や何でもデジタルデータの時代。そんな時代の反動もあってか、データではなく“物”として存在するレコード盤が恋しくなっているのかもしれない。
人間の耳は、20KH以上の高音は聴きとることができない。そのためCDでは高音部をカットしてしまうのが通例だが、アナログレコードはこの音域もカバーしている。ゆえに豊穣で温かみのある音になるという説もある。
便利が味わいを駆逐している。そんな言葉も耳にすると今の時代。ゆっくりとレコードの音に耳を傾けるひとときは、密度の高い時間になるだろう。

「吉田」

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