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経済産業省 DXレポート(2)

2018年9月 経済産業省DXレポートまとめ(2)
3-1 対応策の検討+A29
「DXを推進するための新たなデジタル技術の活用とレガシーシステム刷新に関するガイドライン」(DX推進システムガイドライン)を策定 (の予定?)
【必要性】
◎多くのデータ・情報資産を、連携の難しさから活用しきれていない。先進テクノロジーを導入したとしても、利活用・連携が限定的で、結果効果も限定的
◎既存システムの刷新の必要性や、実行プロセス、経営陣・事業部門・情報システム部門の役割分担について十分理解が浸透していない
◎DXを実現するためITシステムを構築していく上で抑えるべきポイントとステップについての認識の共有が図られるようにガイドラインをとりまとめる
◎業界や企業、人によってDXの捉え方や認識が異なると意思疎通が上手くいかず、遂行の障害となりうるので、その回避策として
【対応策】
◎以下を目的とした「DX推進システムガイドライン」を策定
・経営者がDXを実現する上で、基盤となるITシステムに関する意思決定に関して抑えるべき事項を明確にすること
・また、取締役会メンバーや株主がDXの取組みをチェックする上で活用できること
【「DX推進システムガイドライン」の構成案】
◎経営戦略におけるDXの位置づけ
・経営戦略を実現するためのものとして位置づけられているか
・経営戦略とDXの関係。ビジネス・モデルをどのように変革すべきかについて経営戦略が明確になっているか。
目指すべきものが明確になっているか。共有されているか
・ビジネス・モデルの変革やそれに伴うシステム変更が、経営方針転換やグローバル展開等へのスピーディな対応を可能とするものになっているか
◎DX実現に向けた新たなデジタル技術の活用やレガシーシステム刷新のための適切な体制・仕組み
・ITシステムの基本構想の検討体制
・経営トップのコミットメント
・新たなデジタル技術活用におけるマインドセット
・事業部門のオーナーシップ
・ユーザー企業自らの選択・判断能力
・ユーザー企業自らの要件定義能力
・評価・ガバナンスの仕組み
◎DX実現に向けた新たなデジタル技術の活用やレガシーシステム刷新のための実行プロセス
・情報資産の分析・評価
・情報資産の仕分けと移行プランニング
・レガシー刷新後のシステム:変化への追従力
・経営者自らによるプロジェクト管理
・DXの取組みの継続
※情報資産の現状を分析・評価し、仕分けを実施しながら、戦略的なシステム刷新を推進する
A.頻繁に変更が発生する機能はクラウド上で再構築
B.変更されたり、新たに必要な機能は適宜クラウドへ追加
C.肥大化したシステムの中に不要な機能があれば廃棄
D. あまり更新が発生しない機能は塩漬け

3-2 「見える化」指標、診断スキームの構築
ユーザー企業自身がITシステムの全体像を把握できるように「見える化」指標と診断スキームを構築
【必要性】
◎多くの企業が、既存システムの刷新に踏み出せていない現状がある
◎老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システムを放置した場合
① データを最大限活用できるようなDXが実現できない
② 将来にわたり運用・保守費が高騰
③ 維持・保守できる人材が枯渇し、セキュリティ上のリスクも高まる
◎こうした重要な問題点に経営者が適切に認識できているとは言えない現状にある
◎DXの足かせになっている既存システムのアセスメントは、経営者がシステム刷新を決断する上で重要。
ITシステムに対する経営の観点からのガバナンスがなされているかについても明らかにする必要がある
【対応策】
(1) 評価指標の策定
(2) 指標を用いた中立的な立場での診断スキームの構築
(3) 診断によるインセンティブ
【「見える化」指標のイメージ】
(1) ITシステムの現状を指標化
① 技術的負債の対象と度合いを具体的に見える化
② IT習熟度やデータの利活用
(2) 経営戦略における位置づけ、体制・仕組みの状況をガイドラインに従って評価
(3) 実行プロセスの状況をガイドラインに従って評価

3-3 DX実現に向けたITシステム構築におけるコスト・リスク低減のための対応策
ITシステムの刷新については、莫大なコストと時間がかかり、リスクも伴う。
また刷新後のシステムが再レガシー化してしまう恐れもある。
こうしたコストやリスクを抑制しつつ、ITシステムの刷新を実現する必要がある。
1. 刷新後のシステムが実現すべきゴールのイメージを共有
2. 廃棄することの重要性
3. 刷新におけるマイクロサービス等の活用
4. 協調領域における共通プラットフォームの構築
協調領域における共通プラットフォームの構築
※協調領域においては、個社が別々にシステムを開発するのではなく、業界毎、課題毎に共通のプラットフォームを構築することで早期かつ安価にシステム刷新をすることが可能。ニーズのある領域を見極め構築することを目指す。
【必要性】
非競争領域については、業務の共通化やシステムの共通化を図り、複数の企業が共同でシステムを構築することがコストや失敗リスクを下げる有効な手段
【対応策】
(1) 協調領域の見極め
(2) 協調領域における業務の標準化や共通プラットフォームの検討を進める
(3) 共通プラットフォーム利用へのインセンティブを設定
(4) 共通プラットフォームの構築・利用に当たって、ユーザー企業側が責任を取ることが本質的に重要。
業務を変え、既存システムを捨てる覚悟が必要

3-4 ユーザー企業・ベンダー企業の目指すべき姿と双方の新たな関係
1.DXを通じてユーザー企業が目指すべき姿
◎あらゆる産業におけるユーザー企業はデジタル技術を駆使する“デジタル企業”となる
2.ベンダー企業の目指すべき姿
◎最前線のデジタル技術の分野で競争力を維持し続けることが重要
① AIを活用したクラウドベースのアジャイル開発によるアプリケーションの提供
② ユーザー企業が行うアジャイル開発に対するコンサルティング
③ 最先端技術の提供等
◎その上で、受託業務から脱却し、最先端技術活用の新規市場を開拓し、クラウドベースのアプリケーション提供型ビジネス・モデルに転換していく
◎この際、例えばユーザー企業と協同しつつプロダクトを開発し、それにおける資産・知財をベンダー企業が保有し、他の顧客にも販売していく、又は当該ユーザー企業を含めて利用料を対価としてサービスを提供するといったビジネス・モデルについても検討していくことが必要
◎目指す方向が様々なため、いずれ“ベンダー企業”というカテゴリーに属さない企業も出てくると考えられる
3.ユーザー企業とベンダー企業の新たな関係
◎役割を変化させていく中で、両者は新たな関係を構築していく必要があり、契約面においても必要な見直しを行う
【対応策】
(1) ユーザー企業とベンダー企業間における契約(ウォーターフォール型やユーザー企業におけるアジャイル開発に関する契約等についてのガイドラインを策定する)
(2) トラブル後の対応:ADRの活用推進

3-5 DX人材の育成・確保
デジタル技術の進展の中で、DXを実行することのできる人材の育成と確保は各社にとって最重要事項である。
ユーザー企業、ベンダー企業それぞれにおいて、求められる人材スキルを整理し、必要な対応策を講じていくことが必要。
【対応策】
(1) ユーザー企業においても取れられる人材
・CDO (Chief Digital Officer)
・デジタルアーキテクト(仮称)
・各事業部門においてビジネス変革で求める要件を明確にできる人材
・ビジネス変革で求められる要件をもとに設計、開発できる人材
・AIの活用等ができる人材、データサイエンティスト
(2) ベンダー企業において求められる人材
・受託開発への過度な依存から脱却し、自社の技術を活かして、アプリケーション提供型のビジネスの成長戦略を描き、実現できる人材
・求められる要件の実現性を見極めた上で、新たな技術・手法を使った実装に落とし込める人材
・スピーディーに変化する最新のデジタル技術を詳しく理解し、業務内容にも精通するITエンジニア
(3) 人材確保・育成に向けた対応策
・アジャイル開発の実践そのものが、ユーザー企業の人材にあっては開発手法を学び、ベンダー企業の人材にあっては開発に従事しながら業務を知ることにつながり、ユーザー企業・ベンダー企業双方の人材育成にもなる
・新たに整備されたITエンジニアのスキル標準や情報処理技術者試験の活用により、上記のような求められるIT人材の能力の明確化や、学び直しによる人材育成が進められることを期待
・大学を含めた産学連携で人材育成を進めることも有効である。企業にとっては、自社のプロジェクトを大学とともに取り組むことにより、AIやデータ活用のスキルを実践的に獲得できるとともに、大学にとっても企業の持つデータを活用できるため、研究ならびに教育の良い教材となる。
(2018年度より、第四次産業革命スキル習得講座認定制度が運用されている。大学及び大学と連携した民間の講座も増えていることから、今後も産学の連携が促進されることが期待される)

3-6 DX実現シナリオ

4 今後の検討の方向性

https://www.meti.go.jp/press/2018/09/20180907010/20180907010-2.pdf

「永野」

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